#1 森びび立ち上げの経緯

町紗耶香

森びび 編集長

こどもたちの未来に大切なことはなんなのか。
その時、私がたどり着いたのが「大人が心から人生を楽しんでいること」でした。

数年前、私は体調を大きく崩したときがありました。それまでは特に自分の人生であったり、こどもの人生であったりを意識しておらず、当たり前のように成長していって当たり前のように老いていくと思いました。けれど体調を崩した時に、「こどもが20歳になるまでは死ねない!」と(笑)本気で思いました。
それから、心のこと、体のこと、食のこと、環境のこと、現代社会のこと、たくさんたくさん学びました。そしてたくさんの人に話を聞きました。一度は、あまりにも衝撃的なことが多く、「もうこの世の中で生きていけない」なんて絶望したことも思いました。(笑)

けれど、私は生きている。(笑)
そして子どもたちもいきいきと生きてほしい。

ではどうするか?
その結果として、森あそびのまなび場を立ち上げることを決めたのかもしれません。(立ち上げ当時は、なぜ立ち上げたのかも自分自身では分からず、とにかく必死でした。笑)

火起こしをマスターした子どもたち。火があればきっとどこでも生きていける。笑

何故かやらないといけないと思った。

あるとき「森のようちえん」という存在を知りました。そのとき「これだ!」となぜか思ったのです。「自然のなかで過ごすことがきっと一番大切だ」と思いました。今ならその理由を明確に言えますが、当時はただの直感でしかなかったと思います。

そして何人かの友人や尊敬する人に「やってみたいんだよね」と話しました。
すると、あれよあれよとみんな協力してくれて前身である「森のようちえん(仮)」を立ち上げました。(正直、「言い出しっぺだけど本当にやるんだ?!」と、何の心の準備もなかったのでずっとアワアワしていました。笑)

何をすればいいのか。何をしたいのか。どうやってやればいいのか。はじめは何も分かりませんでした。けれど、「とりあえずわからないけれどやってみないといけない!」そんな想いに駆られてスタートしました。

不安を楽しいに変えたい。

私自身は、社会に対する不安がたくさんありました。家族との関係は良好で、人間関係も仕事も何も問題ありません。けれど、たくさん社会について調べたら「この社会では生きていけない」というほど一人で不安に陥っていたと思います。

次は「一緒にやろう!」と言ってくれた友人の一人です。その友人は、夫とこどもとどう上手に接すればいいか分からず、家族に心を閉ざしていました。なんとかしたいのに、どうすればいいか分からない。その想いをこじらせてしまい(笑)、すべてを置き去りにして自分の中だけの楽しみの中で生きていました。

ある友人は、「やってみたい!」と言ってくれました。いつも朗らかで笑顔で、こどもにも優しいステキなお母さんです。今もとても憧れます。けれど話をしていると夫にとても腹を立てていました。その原因は、ただの会話不足だったり思い込みのすれ違いだったりしたのですが、自分自身の本当の気持ち「夫と仲良くしたい」ということを遥か遠く彼方へ放り投げてしまってました。

そのほかにも、数えたらきりがありませんが(笑)、「人にどう見られるか不安」「私はきっと馬鹿にされている」「自分の力を信じきれない」「ちゃんとしなきゃ、しっかりしなきゃ」。そんな声がたくさんまわりに溢れていました。

その時、はっと気が付きました。
「こどもたちは誰の背中を見ている?」

それは一番身近な親だと思いました。親が、こどもにとってははじめての社会なのです。親が不安であるからこそ、その不安をこどもに体験してほしくないからこそ、どうしてもこどもに辛くあたってしまう。私の場合は「食はこれしか食べちゃだめ!そんなもの食べたら病気になる!」なんて、普段はのほほんとしていても、スイッチが入った瞬間ピリピリしていました。自分の社会に対する不安を子育てに投影してしまっていたのです。

そんなことに気がついた時、「このままじゃいけない!大人が辛い辛い、ダメだダメだと言っていたら、こどもは未来になんの希望も期待も持てないじゃないか!」と焦りました。

大人が人生を楽しんでいるからこそ、きっと子どもはこれからの未来に期待ができる。大人が辛いことがあってもきちんと向き合ってる姿を見れば、子ども自身はきっとどんな苦難があっても乗り越えられる。こんな風に考えるのが、実は子育ての基本なんじゃないかと思いました。

でも、その辛い思いやどうしようもない思い込みは、自分自身ではなかなか気がつけないので(笑)どうしようもなかったり、仕方なかったりします。そして一人だと、相談できる場がないと、相談するまでもなく「みんな頑張ってるから」と心を閉ざして辛さに気がついていないと、大人は知らぬ間に「ツライ」をずっと溜めてしまっていって、知らぬ間に笑顔が減ってしまっています。そして子どもへ向ける笑顔も減ってしまっていたりします。
だからこそ、周りに信頼できる人が必要だと思いました。子育てを、一人ではなく、たくさんの関わりのなかですることが大切だと思いました。子育てを家族以外でともにしてくれる人が必要だと思いました。それこそが、大人に必要だと思いました。

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こどもは遊びの天才です。どんな場所でも、どんなところでも、お金なんてなくても心の底から笑って転げています。でも大人になると、一気に遊び方が下手になってしまいがちですよね。(笑)こどもってすごい。大人のほうがエライように見えて、実は心の豊かさは子どもに全然負けてるなぁ、と今も常々思います。(笑)

だから、私は「こどもとおとなが一緒に遊べる場所」を作りたいと思いました。
大人も心から楽しめるような環境を作れば、プログラムを考えれば、楽しいワークショップをすれば、そこで大人が笑っていれば。大人の心からの笑顔を見たらきっとこどももうれしくなって笑いだし、みんなが互いに幸せのおすそ分けをできるんじゃないかなと思いました。大人とこどもが一緒に心の底から笑いあえたら、幸せの輪がどれだけ膨らむんだろう。そう思うとワクワクしてしまいます。そして私自身としては、とにかく、ツライことも楽しいことも心の底からこどもと笑い合っていたいのです。もちろん、できない日も多々ですが。(笑)

そして「ただ遊ぶだけじゃつまらない!」と学びにもつながればと思いました。それが「自然のなかで遊ぶ」ということにつながります。自然のなかには、教科書にあるようなことは実はすべてあるんですよね。(笑)そしていつか過去を振り返った時に「あの経験が今に生きている」と、点と点が線になればうれしく思います。

休耕田で野あそび!虫を見つけたり、野草を見つけたり、鬼ごっこしたり。

一緒に楽しんでくれる仲間に感謝。

今は仲間も増えて、やれることもたくさん増えました。
私や提坂さんは、「大人が楽しむことを考える」のが得意です。西澤さんや倉田さんは、「こどもが楽しむことを考える」のが得意です。山田さんは「悩んでいる人にやさしく解決へ導いてくれる」のが得意です。経理やお世話が得意なゆうちゃん、視点をたくさんくれるゆいちゃん、いつも笑顔で笑いと癒やしをくれるゆみこちゃん。それぞれが得意なことを、できることを、それぞれが楽しんだ結果が今につながりました。

もし不安でいっぱいならば息抜きにきてもらいたいし、もし楽しいことをしたいなら一緒に面白いことを考えたい。場を生み出すのは「人と人とのつながり」だと私は思います。何がキッカケで、どう化学変化が起きるのかはまったくわかりません。だからこそ、全員で「これ楽しいね!」を出し合って、ツライことは「こうすれば解決するかも!楽しくなるかも!」を共有できる場になればと思います。

これは私の森あそびのまなび場に対する思いですが、立ち上げた人・参加してる人はそれぞれ違った想い(野望?笑)を持ってたぶん(笑)ここにいます。

面白い人、面白いこと、そしてやさしい人(笑)ばかりなので、一緒にあそべたらうれしいです。森びびのそれぞれの願いがやさしく社会に広がるといいなぁというのが私の願いだったりします。(笑)

森びびをよろしくお願いします♪

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WRITING BY

森びび 編集長

町紗耶香

フリーランスの編集・ライターとして雑誌や広告などに携わる。2018年から「森あそびのまなび場」を主宰。“循環”をキーワードに、「未来につなげたいコトや想い」を取材し記事を届ける。時には現場にも入ってともに実働中。季節の手仕事と、日々のごはん・味噌汁・お漬物を大切にしている。

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